営業はクリエイティブな仕事だ。
「自分がいなかったら、存在しなかったであろう成果を顧客と自社にもたらす・作り出す」
のが営業の役割だからである。
「クリエイティブ」だといっても、「クリエイター」に求められる素養がいるとか、
POPのコピーのセンスが必要だとか(それはそれであるに越したことはないが)、
アイデアマンじゃないといけないとか、そういうことを言っているのではない。
(「クリエイター」と称したり、広告を作る人の中で、本当の意味で「クリエイティブ」な人は
一握りな気がするが・・・)
いわゆる「提案営業」の仕事は「0から1の事例づくり」よりも、
「成功事例の横展開」の方が圧倒的に多いからだ。
例えば食品メーカーの営業がレストランに新しいメニューを提案するとしよう。
全く新しいメニューであれ、日本で知られていないどこかの国の料理であれ、
それを採用しているレストランがない限り、そのメニューが売れるか、売れないかは
誰にもわからない。
最近、回転ずしのくら寿司では、コンビニのような挽き立て珈琲を提供し始めたが、
これも回転ずしチェーンでは初めての試みだ。実際にどのくらいの成果が出るかは
いくら入念にリサーチをしたとしても、「やってみないとわからない」世界である。
営業活動で得意先に提案するとき、その提案が得意先にとって斬新であればあるほど、
それは少なからず、「実験」という色彩が強くなる。
得意先に対しても、「成果が出るかどうかは、やってみないとわからない部分はありますが、
他社に先駆けてやってみませんか」と了承を得なければすすめられない。
(やってこともないのに、「確実に成果が出ます」というのは嘘をいうようなもの)
その分、条件面で優遇したり、まずは「1店から実験」みたいなことで進めるわけだ。
新しい市場を作ったり、新しい用途を広げていくには、こうした「実験」が欠かせない。
しかし、「実験だけ」では、手間と苦労がかかるわりに「目先の数字」には結び付きにくい。
「実験」はある種の「弾込め」である。提案できる武器を作り、それをもとに「横展開」「水平展開」
して数字に結びついていく。
提案のベースとなる武器=事例は何も自分の営業活動だけから作り出す必要はない。
周りの同僚や、上司や、ほかの営業所の営業パーソンの事例など、社内中から
引っ張ってくるべきだ。
問題は、数ある事例の中から、自分の担当する特定の得意先に、「いま」、「最適な」
事例をチョイスできるかである。事例の「セレクト力」だ。
「最適な」というのは、得意先の方針にゃ戦略、課題と合致し、その提案が成果に結びつくか
どうか、ということだ。
ある得意先では成果が出た提案でも、ほかの得意先にはマッチしない、あるいは
やっても今一つ成果が出ない、ということは十分ありえる。
例えば、全国的に高齢の単身者や夫婦二人暮らしが増えているということで、一人や2人に
あった食べきりサイズの惣菜を都市部の食品スーパーに提案し、採用され、実績が出た事例が
あったとする。同じ提案を郊外ロードサイドのスーパーに持って行ったらどうだろう。
「それって、うち向きじゃないよね」と提案自体をはねられるかもしれないし、
単品で「少人数向け」を訴求したところでインパクトは弱く、売り上げ増にはつながらないかも
しれない。
「この事例なら、この得意先A社でも成果につながるだろう」という目利き力が要るのだ。
もう一つ留意しないといけないのは、「横展開」「水平展開」というのは、
「他社で成功した事例を、そっくりそのまま、その得意先に紹介すること」ではない、ということだ。
きっちり成果を出すには、その得意先に適切な事例をセレクトしたうえで、
さらに得意先にあわせて、最適な形にアレンジする能力が問われる。
例えば、「イタリアンフェア」のようなエンド陳列を食品スーパーに提案するとしても、
そのお店の客層やほかの品ぞろえに合わせて、少し高めのオリーブオイルも入れるとか、
アンチョビのような周辺商材を充実化させるといった、細かな「調整」が必要になる。
すなわち、「アジャスト力」である。
では、セレクト力とアジャスト力を磨くにはどうすればよいか。
得意先にとって最適な事例を、最適な形にアジャストして提案する。
そこで大事なことは、「何が最適か」は得意先ごとに異なるということだ。
個々の得意先にとっての最適を考えるには、「得意先のことをどれだけ深く知ることができるか」
ということにかかっている。
2013年11月29日金曜日
2013年11月21日木曜日
提案書はタイトルが7割
営業活動の中で、「提案書」を作って得意先にプレゼンテーションをしたり、
飛び込みの際に資料としておくる機会は多い。
実は、提案の成否の半分以上は、「表紙」で決まるのではないか、と思う。
何故なら、提案の「ストーリー」がタイトルを含めた表紙に現れるからだ。
商談が成功する提案書のタイトルには「型」がある。
それは、
「〇〇による◇◇のご提案」だ。
〇〇は主に提案しようという自社の商品・サービス、あるいはそれを使った施策
◇◇は、提案する対象の得意先のメリット、言い換えると、この提案によって
得意先が得られるであろう成果である。
例えば、Webサイトの広告を提案する場合なら、
「読者参加型の記事広告による、ママ層ターゲット獲得のご提案」
食材などをスーパーに提案する場合なら、
「メニュー提案型クロスマーチャンダイジングによる、買い上げ点数アップのご提案」
ITシステムによる間接部門のコスト削減なら、
「〇〇システムの導入による、給与計算関連事務コスト削減のご提案」
といったイメージである。
逆に、表紙を受け取った瞬間に、提案を受ける読み手として、がっかりする、
もしくは興味をそそられないのは
「弊社 新商品〇〇のご提案」
といった類のタイトルである。提案先のニーズに関係なく、
「うちが新商品を発売するから、聞いてください」というスタンスがタイトルに
現れてしまっている。これだったら、カタログやパンフレットと一緒である。
「新商品発売か何か知らないけど、そりゃ、御社の都合でしょ」
と中身を開いてもらえないかもしれない。
「期間限定 〇〇キャンペーンのご提案」
などは、「興味はそそられる」かもしれないが、これは要するに
「いくら安くなるの?」という点においてのみ、興味がそそられるのであって、
インパクトのある値引きがない限り、成り立たないタイトルだ。
大事なのは◇◇、つまり、得意先のメリット・成果である。
〇〇の自社の商品・サービスはそれを実現するための手段に過ぎない。
「〇〇による、◇◇のご提案」というタイトルは、
「こちら都合での売込みではなく、ご一緒に御社のビジネスを盛り立てたいと思ってるんです」
というスタンスを表現したものだ。
ポイントは◇◇の中身である。普段からの営業活動や、事前のリサーチを通じて、ここに
「そうそう、うちは今、それが課題なんだよねー」
「そう、この前話をしたことって、まさにそれ、それをやりたいんだよね」
という「刺さる」内容が持ってこれるかどうかが商談の成否を分ける。
だから、◇◇は、なるべく具体的な方がよい。
新しい顧客が増やしたいのなら、具体的に得意先が狙いたいと思っているターゲット像を書く。
コスト削減や業務効率化なら、具体的にどのようなプロセスに効果があるかを書く。
例えば、形式としては「〇〇による◇◇のご提案」という形をとっていても、
「弊社新商品Xによる御社売上アップのご提案」では、
「弊社新商品Xのご紹介」と何ら変わらないのである。
同じ新商品を小売り店に提案するのでも、例えば、自社の新商品が少し高めなら、
「高価格帯商品ラインナップの拡充による、〇〇カテゴリーの利益率アップのご提案」
とすれば、グッとしまる。
ここではあえて、自社の新商品Xの名は出していない。出すとしたら、「サブタイトル」でよい。
ポイントは、「高価格帯商品ラインナップ拡充」という、得意先の「品揃え」において
自社の新商品Xを加える意味を説明していることである。
こういうタイトルをつけると、自然と、提案書の中身・ストーリーも骨格が決まる。
なぜ、得意先にとって高価格帯のラインナップ拡充が必要なのか、という理由を述べ、
実際に導入された場合の、カテゴリーの単価や利益率がどう変化するかの
シミュレーションを示すことになるだろう。
逆に言えば、提案のストーリーが決まってから、それを端的に表すタイトルをつけるのが
正しい順番といえる。
よい提案書はタイトルを見ただけで、中身がわかるものである。
中身がよく考えられていれば、それがタイトルに現れるからだ。
「伝え方が9割」式でいえば、「提案書はタイトルが7割」くらいか。
(完全に雰囲気)
あと、細かいことだが、宛名にも気を付けたい。
「~御中」という得意先の名前は正式名称で。「㈱」や略称は使わない。
名前を間違えるのは言語道断である。
そんなところにも、営業担当者の「姿勢」は現れるし、
得意先も絶対に見過ごさないことを心に刻んでおこう。
飛び込みの際に資料としておくる機会は多い。
実は、提案の成否の半分以上は、「表紙」で決まるのではないか、と思う。
何故なら、提案の「ストーリー」がタイトルを含めた表紙に現れるからだ。
商談が成功する提案書のタイトルには「型」がある。
それは、
「〇〇による◇◇のご提案」だ。
〇〇は主に提案しようという自社の商品・サービス、あるいはそれを使った施策
◇◇は、提案する対象の得意先のメリット、言い換えると、この提案によって
得意先が得られるであろう成果である。
例えば、Webサイトの広告を提案する場合なら、
「読者参加型の記事広告による、ママ層ターゲット獲得のご提案」
食材などをスーパーに提案する場合なら、
「メニュー提案型クロスマーチャンダイジングによる、買い上げ点数アップのご提案」
ITシステムによる間接部門のコスト削減なら、
「〇〇システムの導入による、給与計算関連事務コスト削減のご提案」
といったイメージである。
逆に、表紙を受け取った瞬間に、提案を受ける読み手として、がっかりする、
もしくは興味をそそられないのは
「弊社 新商品〇〇のご提案」
といった類のタイトルである。提案先のニーズに関係なく、
「うちが新商品を発売するから、聞いてください」というスタンスがタイトルに
現れてしまっている。これだったら、カタログやパンフレットと一緒である。
「新商品発売か何か知らないけど、そりゃ、御社の都合でしょ」
と中身を開いてもらえないかもしれない。
「期間限定 〇〇キャンペーンのご提案」
などは、「興味はそそられる」かもしれないが、これは要するに
「いくら安くなるの?」という点においてのみ、興味がそそられるのであって、
インパクトのある値引きがない限り、成り立たないタイトルだ。
大事なのは◇◇、つまり、得意先のメリット・成果である。
〇〇の自社の商品・サービスはそれを実現するための手段に過ぎない。
「〇〇による、◇◇のご提案」というタイトルは、
「こちら都合での売込みではなく、ご一緒に御社のビジネスを盛り立てたいと思ってるんです」
というスタンスを表現したものだ。
ポイントは◇◇の中身である。普段からの営業活動や、事前のリサーチを通じて、ここに
「そうそう、うちは今、それが課題なんだよねー」
「そう、この前話をしたことって、まさにそれ、それをやりたいんだよね」
という「刺さる」内容が持ってこれるかどうかが商談の成否を分ける。
だから、◇◇は、なるべく具体的な方がよい。
新しい顧客が増やしたいのなら、具体的に得意先が狙いたいと思っているターゲット像を書く。
コスト削減や業務効率化なら、具体的にどのようなプロセスに効果があるかを書く。
例えば、形式としては「〇〇による◇◇のご提案」という形をとっていても、
「弊社新商品Xによる御社売上アップのご提案」では、
「弊社新商品Xのご紹介」と何ら変わらないのである。
同じ新商品を小売り店に提案するのでも、例えば、自社の新商品が少し高めなら、
「高価格帯商品ラインナップの拡充による、〇〇カテゴリーの利益率アップのご提案」
とすれば、グッとしまる。
ここではあえて、自社の新商品Xの名は出していない。出すとしたら、「サブタイトル」でよい。
ポイントは、「高価格帯商品ラインナップ拡充」という、得意先の「品揃え」において
自社の新商品Xを加える意味を説明していることである。
こういうタイトルをつけると、自然と、提案書の中身・ストーリーも骨格が決まる。
なぜ、得意先にとって高価格帯のラインナップ拡充が必要なのか、という理由を述べ、
実際に導入された場合の、カテゴリーの単価や利益率がどう変化するかの
シミュレーションを示すことになるだろう。
逆に言えば、提案のストーリーが決まってから、それを端的に表すタイトルをつけるのが
正しい順番といえる。
よい提案書はタイトルを見ただけで、中身がわかるものである。
中身がよく考えられていれば、それがタイトルに現れるからだ。
「伝え方が9割」式でいえば、「提案書はタイトルが7割」くらいか。
(完全に雰囲気)
あと、細かいことだが、宛名にも気を付けたい。
「~御中」という得意先の名前は正式名称で。「㈱」や略称は使わない。
名前を間違えるのは言語道断である。
そんなところにも、営業担当者の「姿勢」は現れるし、
得意先も絶対に見過ごさないことを心に刻んでおこう。
2013年11月15日金曜日
これからの営業は「売り込み」ではなく、「お役立ち」
「営業」というと、モノ・サービスを売る仕事である。
営業担当者自身でも「今月も『売り込んで』、ノルマあげなけきゃ」と日々、走り回っている
人は多いと思う。
しかし、これからの営業担当者のマインド・心の持ちようとして、「売り込み」という
発想は捨てたほうがいいのではないかと思う。
「売り込み」というと、自社の売上や利益をあげるために、
「余分なものを買わせる」「ちょっとでも多く買ってもらう」といった、どちらかというと
顧客・取引先の「不利益」につながるネガティブなイメージがある。
実際、「売り込もう」と思って営業活動をしている人は結果として、売上や利益を
あげられないことが多い。
一つには、顧客・取引先から「売込み光線」を見透かされるからだ。
売込み姿勢が目立つと、「こいつ、また、自分のところの都合で商談に来たな」と思われて、
そもそも、きちんとした信頼関係を築くことが難しい。
もう一つは、実際に顧客・取引先がビジネスとしての成果を上げられないからでもある。
消費財メーカーの小売り店への営業を考えるとわかりやすいが、「売り込もう」と思っている
担当者は、商品の導入が決まり、自社の売上が立った時点で、「よし!売込み完了!」と
思っているので、その先にあまり気を配らない。入荷した商品が回転していなかったとしても、
置き場所を変えるなり、POPなどの販促で、なんとか小売店で消費者に手に取ってもらような
施策を考える、ということがおろそかになる。
逆に、営業活動で成果を上げている人は、
「いかに自社の商品・サービスを手段(ツール)として、顧客・取引先のビジネスに役立つか」
という「お役立ち」の発想で仕事をしている。
焦点は、顧客・取引先のビジネス成果である。
これを「本気」で考えられるかどうか、が極めて重要だ。
上記の消費財メーカーの小売店への営業でいえば、自社の商品の売上の限らず、
担当する小売り店の棚(カテゴリー)全体の売上や利益を上げることを「真剣に」考えている。
「ちょっとこの棚の棚割り考えてみてよ」と顧客・得意先に言われたときに、
(こういってもらえるまでが、実際、大変なのだが・・・)
いかにして、その棚の成果を最大にするかを考え、提案する。
自社の都合を考えれば、自社商品で埋め尽くせばいい。
が、よっぽどのメーカーでない限り、自社の「3番手、4番手」の商品よりも、
他社の売れ筋を入れたほうが、棚としての成果は高まる。
こういうときに、ギリギリまで自社の商品も入れつつ、他社の売れ筋も入れた提案ができるか
どうかが、継続的に営業で成果あげられるかどうかの分かれ目だ。
昔ならともかく、今は「成果・結果はシビアに数字で出る」ということを忘れてはならない。
そう、おそらく、POSも普及していないような高度成長期は「売込んで」おいても、モノは売れたし、
その結果をギリギリ問われることもなかったのだろう。
「カテゴリー単位の売上・回転」なんてものは雰囲気でしかわからなかったのだから。
今は、売っているものがなにであれ、「導入後の効果」が厳しく問われるのが当たり前なのである。
顧客・得意先のビジネス成果を一番に考える、といっても、なんでもかんでも
顧客の要求通りにするとか、自社の利益を犠牲にせよ、といっているのではない。
極端な話、値引きして売れば、顧客の利益になる。
しかし、あくまでこれは短期の話だ。「特別条件」みたいな話は一時的には可能でも
長くは続かない。
だいいち、値下げして売上を上げるなんてことは、バカでもできる。
いかに、自社の利益を削らずに、顧客・得意先の成果を最大化できるかに
「知恵」を使う必要があるのだ。
なお、これは姿勢の問題なので、「売り込み」を「提案」という言葉に変えても、
中身が一方的な自社都合でのPRになっていたら同じだ。
「当社の新商品なので、ご提案します」
「ただいま、キャンペーン中なので、ご提案します」
というのは、典型的な「売込み」である。
そうではなく、いかに自社の商品を使って、顧客・得意先のビジネスに「お役立ち」ができるか。
いかにしてお客様のビジネス成果を大きくできるか、その発想が大事だ。
これは顧客・得意先の担当者と目線・ゴールをそろえる、ということでもある。
ゴールが一つになり、ベクトルがそろえば、商談の場でともに戦う「同志」として、
議論できるようになる。
「売込みばっかりで面倒くさいヤツ」と思われるか、
「何かうちにトクになる話を持ってきてくれる、一緒に話ができるパートナー」
と思われるか、それは、姿勢次第なのである。
成果が出れば、得意先に感謝もされる。
目の前の人に喜ばれたり、感謝されれば、仕事は断然、楽しくなるものだ。
営業担当者自身でも「今月も『売り込んで』、ノルマあげなけきゃ」と日々、走り回っている
人は多いと思う。
しかし、これからの営業担当者のマインド・心の持ちようとして、「売り込み」という
発想は捨てたほうがいいのではないかと思う。
「売り込み」というと、自社の売上や利益をあげるために、
「余分なものを買わせる」「ちょっとでも多く買ってもらう」といった、どちらかというと
顧客・取引先の「不利益」につながるネガティブなイメージがある。
実際、「売り込もう」と思って営業活動をしている人は結果として、売上や利益を
あげられないことが多い。
一つには、顧客・取引先から「売込み光線」を見透かされるからだ。
売込み姿勢が目立つと、「こいつ、また、自分のところの都合で商談に来たな」と思われて、
そもそも、きちんとした信頼関係を築くことが難しい。
もう一つは、実際に顧客・取引先がビジネスとしての成果を上げられないからでもある。
消費財メーカーの小売り店への営業を考えるとわかりやすいが、「売り込もう」と思っている
担当者は、商品の導入が決まり、自社の売上が立った時点で、「よし!売込み完了!」と
思っているので、その先にあまり気を配らない。入荷した商品が回転していなかったとしても、
置き場所を変えるなり、POPなどの販促で、なんとか小売店で消費者に手に取ってもらような
施策を考える、ということがおろそかになる。
逆に、営業活動で成果を上げている人は、
「いかに自社の商品・サービスを手段(ツール)として、顧客・取引先のビジネスに役立つか」
という「お役立ち」の発想で仕事をしている。
焦点は、顧客・取引先のビジネス成果である。
これを「本気」で考えられるかどうか、が極めて重要だ。
上記の消費財メーカーの小売店への営業でいえば、自社の商品の売上の限らず、
担当する小売り店の棚(カテゴリー)全体の売上や利益を上げることを「真剣に」考えている。
「ちょっとこの棚の棚割り考えてみてよ」と顧客・得意先に言われたときに、
(こういってもらえるまでが、実際、大変なのだが・・・)
いかにして、その棚の成果を最大にするかを考え、提案する。
自社の都合を考えれば、自社商品で埋め尽くせばいい。
が、よっぽどのメーカーでない限り、自社の「3番手、4番手」の商品よりも、
他社の売れ筋を入れたほうが、棚としての成果は高まる。
こういうときに、ギリギリまで自社の商品も入れつつ、他社の売れ筋も入れた提案ができるか
どうかが、継続的に営業で成果あげられるかどうかの分かれ目だ。
昔ならともかく、今は「成果・結果はシビアに数字で出る」ということを忘れてはならない。
そう、おそらく、POSも普及していないような高度成長期は「売込んで」おいても、モノは売れたし、
その結果をギリギリ問われることもなかったのだろう。
「カテゴリー単位の売上・回転」なんてものは雰囲気でしかわからなかったのだから。
今は、売っているものがなにであれ、「導入後の効果」が厳しく問われるのが当たり前なのである。
顧客・得意先のビジネス成果を一番に考える、といっても、なんでもかんでも
顧客の要求通りにするとか、自社の利益を犠牲にせよ、といっているのではない。
極端な話、値引きして売れば、顧客の利益になる。
しかし、あくまでこれは短期の話だ。「特別条件」みたいな話は一時的には可能でも
長くは続かない。
だいいち、値下げして売上を上げるなんてことは、バカでもできる。
いかに、自社の利益を削らずに、顧客・得意先の成果を最大化できるかに
「知恵」を使う必要があるのだ。
なお、これは姿勢の問題なので、「売り込み」を「提案」という言葉に変えても、
中身が一方的な自社都合でのPRになっていたら同じだ。
「当社の新商品なので、ご提案します」
「ただいま、キャンペーン中なので、ご提案します」
というのは、典型的な「売込み」である。
そうではなく、いかに自社の商品を使って、顧客・得意先のビジネスに「お役立ち」ができるか。
いかにしてお客様のビジネス成果を大きくできるか、その発想が大事だ。
これは顧客・得意先の担当者と目線・ゴールをそろえる、ということでもある。
ゴールが一つになり、ベクトルがそろえば、商談の場でともに戦う「同志」として、
議論できるようになる。
「売込みばっかりで面倒くさいヤツ」と思われるか、
「何かうちにトクになる話を持ってきてくれる、一緒に話ができるパートナー」
と思われるか、それは、姿勢次第なのである。
成果が出れば、得意先に感謝もされる。
目の前の人に喜ばれたり、感謝されれば、仕事は断然、楽しくなるものだ。
2013年10月20日日曜日
30代以下の営業パーソン
筆者は現在、30代後半だが、
いま、営業の一線で働いている人のうち、20代、30代の「若手」がかなりの比率を占めるはずだ。
バブル以降に青春を過ごした世代である。
「営業」という職種で考えると、この世代は不幸であり、ラッキーでもある。
不幸といったのは、経済全体が停滞しており、モノが売れない、という時代であることが一つ。
もう一つは、実は社内に「営業としての良い見本」が少ない、という点である。
同じ会社で「営業」といっても、上司や先輩が営業の一線で働いてた時とはかなり前提が違う。
営業の現場の方々と接していると、世代・年代による違いを感じることが多い。
(しかも、だいたい、どこの会社も同じような構造になっている)
50代以上のベテランには、昔ながらの体力、人間関係の
「勘と経験と根性」(3K)タイプが圧倒的に多い。
経済が右肩上がりに成長していた時代は、ある種、体力や人間関係の世界であった。
(たぶん)
この世代の人は自社商品についてよく知っているし、交渉力や押しも強い。
経済が伸びていたので、問屋と小売り、問屋とメーカーの間で、
その果実をいかにわけあうかが重要だったからである。
しかし、「得意先に対する提案を考えてください」というと、思考がストップする。
(そして、パソコンも苦手である。)
お兄さん、お姉さん世代の40代は、できる人はできるのだが、
失礼ながら、「中途半端で残念な人」が少なくない。
バブル崩壊以降に社会人になったが、先輩たちの多くは「イケイケどんどん」世代で、
「モノが売れない時代」への対応を誰も教えてくれなかった(推測)。
一方で、インターネットも十分には普及しておらず、
顧客を訪問し、カタログやチラシを持って商品・サービスを紹介する
ことにそれなりに意味があった。
そこで、割とコツコツと得意先を訪問して、説明や先方からのオーダーはある程度
ソツなく対応できるが、こちらから「仕掛ける」ようなことは苦手なタイプが多いように思う。
そもそも環境的にモノが売れない時代でキャリアをスタートしてるいるので、
ベテランほど人間力に期待をしてもいない。
だから、今の20代や30代にとって、上司や先輩が、
十分な「見本」になりえるかというと、難しいケースが多いのである。
低成長、モノが売れない、デフレ、そして情報の流通コストが劇的に安い、
そういう環境は我々の上司や先輩の世代がかつて経験したことが
ないものなのである。
しかし、それだけに「営業」という仕事の面白味もかつてないほど、大きくなっている、
と言えると思う。
それが「ラッキー」といった意味である。
自分次第で、「普通にいったら、伸びない売上」が伸びたりする。
「商品を紹介する」だけでは売れないので、「企画」や「提案」が大事になっている。
その分の、個人の努力・工夫の余地も大きい。クリエイティビティが発揮できる。
PBの提案やビジネススキーム自体の提案など、
「商品を紹介する」以上に、社内を巻き込んで、「プロデューサー」や
「プロジェクトリーダー」的な仕事もできたりする。
条件の交渉ではなく、
「いかに、パートナーとして共同でビジネス成果を出せるか」
という得意先との前向きな議論に時間がさける。
顧客側も、「売れない(伸びない)のが普通」なので、
売れる企画を提案され、それが成果に結びつくと本気で感謝してくれる。
(売れた時代は誰のおかげで売れているのか、よくわからない)
要は、そういう
「普通にしていたら、全然売れないけど、やりようによってはちゃんと売れる」
という環境を楽しめるかどうかだと思う。
同じ仕事をやるなら、楽しまなければ損である。
いま、営業の一線で働いている人のうち、20代、30代の「若手」がかなりの比率を占めるはずだ。
バブル以降に青春を過ごした世代である。
「営業」という職種で考えると、この世代は不幸であり、ラッキーでもある。
不幸といったのは、経済全体が停滞しており、モノが売れない、という時代であることが一つ。
もう一つは、実は社内に「営業としての良い見本」が少ない、という点である。
同じ会社で「営業」といっても、上司や先輩が営業の一線で働いてた時とはかなり前提が違う。
営業の現場の方々と接していると、世代・年代による違いを感じることが多い。
(しかも、だいたい、どこの会社も同じような構造になっている)
50代以上のベテランには、昔ながらの体力、人間関係の
「勘と経験と根性」(3K)タイプが圧倒的に多い。
経済が右肩上がりに成長していた時代は、ある種、体力や人間関係の世界であった。
(たぶん)
この世代の人は自社商品についてよく知っているし、交渉力や押しも強い。
経済が伸びていたので、問屋と小売り、問屋とメーカーの間で、
その果実をいかにわけあうかが重要だったからである。
しかし、「得意先に対する提案を考えてください」というと、思考がストップする。
(そして、パソコンも苦手である。)
お兄さん、お姉さん世代の40代は、できる人はできるのだが、
失礼ながら、「中途半端で残念な人」が少なくない。
バブル崩壊以降に社会人になったが、先輩たちの多くは「イケイケどんどん」世代で、
「モノが売れない時代」への対応を誰も教えてくれなかった(推測)。
一方で、インターネットも十分には普及しておらず、
顧客を訪問し、カタログやチラシを持って商品・サービスを紹介する
ことにそれなりに意味があった。
そこで、割とコツコツと得意先を訪問して、説明や先方からのオーダーはある程度
ソツなく対応できるが、こちらから「仕掛ける」ようなことは苦手なタイプが多いように思う。
そもそも環境的にモノが売れない時代でキャリアをスタートしてるいるので、
ベテランほど人間力に期待をしてもいない。
だから、今の20代や30代にとって、上司や先輩が、
十分な「見本」になりえるかというと、難しいケースが多いのである。
低成長、モノが売れない、デフレ、そして情報の流通コストが劇的に安い、
そういう環境は我々の上司や先輩の世代がかつて経験したことが
ないものなのである。
しかし、それだけに「営業」という仕事の面白味もかつてないほど、大きくなっている、
と言えると思う。
それが「ラッキー」といった意味である。
自分次第で、「普通にいったら、伸びない売上」が伸びたりする。
「商品を紹介する」だけでは売れないので、「企画」や「提案」が大事になっている。
その分の、個人の努力・工夫の余地も大きい。クリエイティビティが発揮できる。
PBの提案やビジネススキーム自体の提案など、
「商品を紹介する」以上に、社内を巻き込んで、「プロデューサー」や
「プロジェクトリーダー」的な仕事もできたりする。
条件の交渉ではなく、
「いかに、パートナーとして共同でビジネス成果を出せるか」
という得意先との前向きな議論に時間がさける。
顧客側も、「売れない(伸びない)のが普通」なので、
売れる企画を提案され、それが成果に結びつくと本気で感謝してくれる。
(売れた時代は誰のおかげで売れているのか、よくわからない)
要は、そういう
「普通にしていたら、全然売れないけど、やりようによってはちゃんと売れる」
という環境を楽しめるかどうかだと思う。
同じ仕事をやるなら、楽しまなければ損である。
2013年10月9日水曜日
営業とはクリエイティブな仕事である(2)
情報の流通コストが劇的に下がり、
ビジネス成果を創造するクリエイティビティこそが営業に求められる
ものになっている。
余談だが、この話の文脈で、私が職業としての先行きを心配する
業種の一つが製薬業界のMRである。
その名も「医薬情報担当者」であり、医師を訪問して、
医薬品に品質、有効性、安全性に関する情報を提供したり、
収集したりする仕事である、とされる。
要するに、ドクターに対して、自社の薬の採用をあの手この手で働きかける仕事なわけだが、
表向きの「情報提供」という部分に関して言えば、
情報の流通コストの劇的な低下のあおりをモロに受けそうである。
「情報の伝達」という手段だけに注目すれば、「人」ほど
高コストのチャネルはないからだ。
医師向けのポータルを運営する超高収益企業エムスリーの決算資料(2012年度)に、
これの裏付けとなる面白いデータが載っていた。
製薬業界側がかけるマーケティングコストのうち、
MRにかかわるものは、実に1兆4,000億円で92%を占める。
国内6万人と言われ、その多くが高給取りであるので、納得の数字である。
一方、医師側が情報収集をどのような手段で行っているかを
「時間」でみたときに、上位が学会・研究会・雑誌などで44%、
ついで、インターネット39%、MRからは何とわずかに17%に過ぎないらしい。
詳しくはこちらの9ページ
http://corporate.m3.com/ir/library/presentation/pdf/20130425_03.pdf
あくまで「時間」なので、その少ない面談時間の「濃さ」はあるだろうが、
MRという仕組み自体が、効率的でないのは誰の目にも明らかである。
今のところ、
「エムスリーのMR君を活用する代わりにMR人財を大量整理」
みたいな製薬会社はないようだが・・・。
そもそも利益率が高い製薬会社だからこそ、
これだけの人員を抱えていられる、ということなのだろう。
10年後に「データサイエンティスト」なる職業が普及しているかどうかも
あやしいが、MRという職業が今と同じくらいの規模で存在しているかどうかも
謎であるかもしれない。
ビジネス成果を創造するクリエイティビティこそが営業に求められる
ものになっている。
余談だが、この話の文脈で、私が職業としての先行きを心配する
業種の一つが製薬業界のMRである。
その名も「医薬情報担当者」であり、医師を訪問して、
医薬品に品質、有効性、安全性に関する情報を提供したり、
収集したりする仕事である、とされる。
要するに、ドクターに対して、自社の薬の採用をあの手この手で働きかける仕事なわけだが、
表向きの「情報提供」という部分に関して言えば、
情報の流通コストの劇的な低下のあおりをモロに受けそうである。
「情報の伝達」という手段だけに注目すれば、「人」ほど
高コストのチャネルはないからだ。
医師向けのポータルを運営する超高収益企業エムスリーの決算資料(2012年度)に、
これの裏付けとなる面白いデータが載っていた。
製薬業界側がかけるマーケティングコストのうち、
MRにかかわるものは、実に1兆4,000億円で92%を占める。
国内6万人と言われ、その多くが高給取りであるので、納得の数字である。
一方、医師側が情報収集をどのような手段で行っているかを
「時間」でみたときに、上位が学会・研究会・雑誌などで44%、
ついで、インターネット39%、MRからは何とわずかに17%に過ぎないらしい。
詳しくはこちらの9ページ
http://corporate.m3.com/ir/library/presentation/pdf/20130425_03.pdf
あくまで「時間」なので、その少ない面談時間の「濃さ」はあるだろうが、
MRという仕組み自体が、効率的でないのは誰の目にも明らかである。
今のところ、
「エムスリーのMR君を活用する代わりにMR人財を大量整理」
みたいな製薬会社はないようだが・・・。
そもそも利益率が高い製薬会社だからこそ、
これだけの人員を抱えていられる、ということなのだろう。
10年後に「データサイエンティスト」なる職業が普及しているかどうかも
あやしいが、MRという職業が今と同じくらいの規模で存在しているかどうかも
謎であるかもしれない。
営業とはクリエイティブな仕事である(1)
営業ってクリエイティブな仕事だと思う。
高度成長期やバブル時代がどうだったかはわからないが、少なくとも
30代後半の筆者が知りうる限りはそうである。
営業は言うまでもなく、モノ(およびサービス)を売る仕事だ。
※ここでいう「営業」は、産業財であれ、消費財であれ、基本的に企業や法人を対象とする
法人営業をイメージしている。「個人向けの販売」は、これとは少し様相が異なるからである。
これはまた別の機会に書いてみたい
しかし、かつてはモノ・サービスを売ることに付随して、色々とやることがあった。
ざっと考えただけども、
1)商品の配送(商品が物理的なモノの場合)
2)注文の受付
3)集金
4)商品情報の提供…カタログの配布や新商品情報の提供など
といったものだ。
今日、これらの付随業務の多くは、「営業」以外のものにより置き換えられている。
1)の配送も物流網の発達で、販売と配送を分けている(配販分離)企業は多い。
2)も単に注文を受け付けるだけであればWebなどの電子的手段が普及している
3)の集金を営業が担っていることも少ないだろう
そして、もっともインパクトが大きいのは4)である。
1990年代後半以降、インターネットの普及に伴って、情報の流通コストは劇的に下がった。
別に営業マンにチラシやカタログを持ってきてもらわなくても、単純な情報なら
Webやメールで入手が可能になった。
それにもかかわらず、相変わらず、一方通行に自社の商品・サービス情報を届けることが
営業の大きな仕事だと勘違いしている人が多い気がしてならない。
最悪なのは、「自社で新発売だから」という理由で顧客のところを訪れ、
流暢な、つまり通り一遍で他でも説明しなれたカタログ情報をとうとうと語るような営業担当者だ。
こんな担当だったら、仮にカバンを白いハンカチの上に置こうが、毎回2分のアポなし
訪問の回数を重ねられようが、筆者は買う気になれない。
人ほどコストの高い情報伝達チャネルはない。情報を右から左に流すだけなら、
メールやWebで十分なのである。
今の時代において、営業がやるべきことは、いわゆる「提案」や「企画」である。
顧客のビジネス成果に貢献する企画を練り、その実践をいかにサポートできるか、
営業の役割はそこに尽きる。
例えば、今はどこでも大手コンビニで挽きたてのコーヒーが飲める。
コンビニからのオーダーかもしれないが、仕掛けたのが珈琲やマシンの営業だったとしたら、
ものすごい企画である。周辺のデザート等も含めて、これまでにない新たな売上を作り出して
いるからだ。
ドラッグストアでは、いつの間にか、医薬品、日用品、化粧品に加え、食品やつけまつ毛
のような化粧雑貨など、実に多くの商品が並んでいる。これも卸や各種メーカーの営業が
ドラッグの新たな品揃えとして、提案を行った結果かもしれない。
売上をオンするだけではない。ITの各種システムで、コストダウンを実現することもそうだし、
LEDのような省エネ設備の導入も一つの企画である。
特に価値が大きいのは、
「その営業担当者がいなかったら、存在しなかったであろう成果を
顧客と自社にもたらすこと」だ。
現代において、営業とはクリエイティブな仕事である。
逆に言えば、クリエイティブでない営業担当者は要らない。営業は、基本的に正社員で、
会社から見てもそれなりの給料を払っていることがほとんどだからである。
人という高いコストを払っているからには、他で代替できない付加価値の高い
仕事をしなければ、いずれ社内に居場所はなくなってしまうだろう。
高度成長期やバブル時代がどうだったかはわからないが、少なくとも
30代後半の筆者が知りうる限りはそうである。
営業は言うまでもなく、モノ(およびサービス)を売る仕事だ。
※ここでいう「営業」は、産業財であれ、消費財であれ、基本的に企業や法人を対象とする
法人営業をイメージしている。「個人向けの販売」は、これとは少し様相が異なるからである。
これはまた別の機会に書いてみたい
しかし、かつてはモノ・サービスを売ることに付随して、色々とやることがあった。
ざっと考えただけども、
1)商品の配送(商品が物理的なモノの場合)
2)注文の受付
3)集金
4)商品情報の提供…カタログの配布や新商品情報の提供など
といったものだ。
今日、これらの付随業務の多くは、「営業」以外のものにより置き換えられている。
1)の配送も物流網の発達で、販売と配送を分けている(配販分離)企業は多い。
2)も単に注文を受け付けるだけであればWebなどの電子的手段が普及している
3)の集金を営業が担っていることも少ないだろう
そして、もっともインパクトが大きいのは4)である。
1990年代後半以降、インターネットの普及に伴って、情報の流通コストは劇的に下がった。
別に営業マンにチラシやカタログを持ってきてもらわなくても、単純な情報なら
Webやメールで入手が可能になった。
それにもかかわらず、相変わらず、一方通行に自社の商品・サービス情報を届けることが
営業の大きな仕事だと勘違いしている人が多い気がしてならない。
最悪なのは、「自社で新発売だから」という理由で顧客のところを訪れ、
流暢な、つまり通り一遍で他でも説明しなれたカタログ情報をとうとうと語るような営業担当者だ。
こんな担当だったら、仮にカバンを白いハンカチの上に置こうが、毎回2分のアポなし
訪問の回数を重ねられようが、筆者は買う気になれない。
人ほどコストの高い情報伝達チャネルはない。情報を右から左に流すだけなら、
メールやWebで十分なのである。
今の時代において、営業がやるべきことは、いわゆる「提案」や「企画」である。
顧客のビジネス成果に貢献する企画を練り、その実践をいかにサポートできるか、
営業の役割はそこに尽きる。
例えば、今はどこでも大手コンビニで挽きたてのコーヒーが飲める。
コンビニからのオーダーかもしれないが、仕掛けたのが珈琲やマシンの営業だったとしたら、
ものすごい企画である。周辺のデザート等も含めて、これまでにない新たな売上を作り出して
いるからだ。
ドラッグストアでは、いつの間にか、医薬品、日用品、化粧品に加え、食品やつけまつ毛
のような化粧雑貨など、実に多くの商品が並んでいる。これも卸や各種メーカーの営業が
ドラッグの新たな品揃えとして、提案を行った結果かもしれない。
売上をオンするだけではない。ITの各種システムで、コストダウンを実現することもそうだし、
LEDのような省エネ設備の導入も一つの企画である。
特に価値が大きいのは、
「その営業担当者がいなかったら、存在しなかったであろう成果を
顧客と自社にもたらすこと」だ。
現代において、営業とはクリエイティブな仕事である。
逆に言えば、クリエイティブでない営業担当者は要らない。営業は、基本的に正社員で、
会社から見てもそれなりの給料を払っていることがほとんどだからである。
人という高いコストを払っているからには、他で代替できない付加価値の高い
仕事をしなければ、いずれ社内に居場所はなくなってしまうだろう。
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