2013年10月9日水曜日

営業とはクリエイティブな仕事である(1)

営業ってクリエイティブな仕事だと思う

高度成長期やバブル時代がどうだったかはわからないが、少なくとも
30代後半の筆者が知りうる限りはそうである。

営業は言うまでもなく、モノ(およびサービス)を売る仕事だ。
※ここでいう「営業」は、産業財であれ、消費財であれ、基本的に企業や法人を対象とする
 法人営業をイメージしている。「個人向けの販売」は、これとは少し様相が異なるからである。
 これはまた別の機会に書いてみたい
しかし、かつてはモノ・サービスを売ることに付随して、色々とやることがあった。
ざっと考えただけども、
1)商品の配送(商品が物理的なモノの場合)
2)注文の受付
3)集金
4)商品情報の提供…カタログの配布や新商品情報の提供など
といったものだ。

今日、これらの付随業務の多くは、「営業」以外のものにより置き換えられている。
1)の配送も物流網の発達で、販売と配送を分けている(配販分離)企業は多い。
2)も単に注文を受け付けるだけであればWebなどの電子的手段が普及している
3)の集金を営業が担っていることも少ないだろう
そして、もっともインパクトが大きいのは4)である。
1990年代後半以降、インターネットの普及に伴って、情報の流通コストは劇的に下がった。
別に営業マンにチラシやカタログを持ってきてもらわなくても、単純な情報なら
Webやメールで入手が可能になった。

それにもかかわらず、相変わらず、一方通行に自社の商品・サービス情報を届けることが
営業の大きな仕事だと勘違いしている人が多い気がしてならない。
最悪なのは、「自社で新発売だから」という理由で顧客のところを訪れ、
流暢な、つまり通り一遍で他でも説明しなれたカタログ情報をとうとうと語るような営業担当者だ。
こんな担当だったら、仮にカバンを白いハンカチの上に置こうが、毎回2分のアポなし
訪問の回数を重ねられようが、筆者は買う気になれない。
人ほどコストの高い情報伝達チャネルはない。情報を右から左に流すだけなら、
メールやWebで十分なのである。

今の時代において、営業がやるべきことは、いわゆる「提案」や「企画」である。
顧客のビジネス成果に貢献する企画を練り、その実践をいかにサポートできるか、
営業の役割はそこに尽きる。

例えば、今はどこでも大手コンビニで挽きたてのコーヒーが飲める。
コンビニからのオーダーかもしれないが、仕掛けたのが珈琲やマシンの営業だったとしたら、
ものすごい企画である。周辺のデザート等も含めて、これまでにない新たな売上を作り出して
いるからだ。
ドラッグストアでは、いつの間にか、医薬品、日用品、化粧品に加え、食品やつけまつ毛
のような化粧雑貨など、実に多くの商品が並んでいる。これも卸や各種メーカーの営業が
ドラッグの新たな品揃えとして、提案を行った結果かもしれない。
売上をオンするだけではない。ITの各種システムで、コストダウンを実現することもそうだし、
LEDのような省エネ設備の導入も一つの企画である。

特に価値が大きいのは、
「その営業担当者がいなかったら、存在しなかったであろう成果を
顧客と自社にもたらすこと」だ。

現代において、営業とはクリエイティブな仕事である。
逆に言えば、クリエイティブでない営業担当者は要らない。営業は、基本的に正社員で、
会社から見てもそれなりの給料を払っていることがほとんどだからである。
人という高いコストを払っているからには、他で代替できない付加価値の高い
仕事をしなければ、いずれ社内に居場所はなくなってしまうだろう。

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