2013年11月21日木曜日

提案書はタイトルが7割

営業活動の中で、「提案書」を作って得意先にプレゼンテーションをしたり、
飛び込みの際に資料としておくる機会は多い。

実は、提案の成否の半分以上は、「表紙」で決まるのではないか、と思う。
何故なら、提案の「ストーリー」がタイトルを含めた表紙に現れるからだ。

商談が成功する提案書のタイトルには「型」がある。
それは、
「〇〇による◇◇のご提案」だ。

〇〇は主に提案しようという自社の商品・サービス、あるいはそれを使った施策
◇◇は、提案する対象の得意先のメリット、言い換えると、この提案によって
得意先が得られるであろう成果である。

例えば、Webサイトの広告を提案する場合なら、
「読者参加型の記事広告による、ママ層ターゲット獲得のご提案」
食材などをスーパーに提案する場合なら、
「メニュー提案型クロスマーチャンダイジングによる、買い上げ点数アップのご提案」
ITシステムによる間接部門のコスト削減なら、
「〇〇システムの導入による、給与計算関連事務コスト削減のご提案」
といったイメージである。

逆に、表紙を受け取った瞬間に、提案を受ける読み手として、がっかりする、
もしくは興味をそそられないのは
「弊社 新商品〇〇のご提案」
といった類のタイトルである。提案先のニーズに関係なく、
「うちが新商品を発売するから、聞いてください」というスタンスがタイトルに
現れてしまっている。これだったら、カタログやパンフレットと一緒である。
「新商品発売か何か知らないけど、そりゃ、御社の都合でしょ」
と中身を開いてもらえないかもしれない。

「期間限定 〇〇キャンペーンのご提案」
などは、「興味はそそられる」かもしれないが、これは要するに
「いくら安くなるの?」という点においてのみ、興味がそそられるのであって、
インパクトのある値引きがない限り、成り立たないタイトルだ。

大事なのは◇◇、つまり、得意先のメリット・成果である。
〇〇の自社の商品・サービスはそれを実現するための手段に過ぎない。
「〇〇による、◇◇のご提案」というタイトルは、
「こちら都合での売込みではなく、ご一緒に御社のビジネスを盛り立てたいと思ってるんです」
というスタンスを表現したものだ。

ポイントは◇◇の中身である。普段からの営業活動や、事前のリサーチを通じて、ここに
「そうそう、うちは今、それが課題なんだよねー」
「そう、この前話をしたことって、まさにそれ、それをやりたいんだよね」
という「刺さる」内容が持ってこれるかどうかが商談の成否を分ける。

だから、◇◇は、なるべく具体的な方がよい。
新しい顧客が増やしたいのなら、具体的に得意先が狙いたいと思っているターゲット像を書く。
コスト削減や業務効率化なら、具体的にどのようなプロセスに効果があるかを書く。

例えば、形式としては「〇〇による◇◇のご提案」という形をとっていても、
「弊社新商品Xによる御社売上アップのご提案」では、
「弊社新商品Xのご紹介」と何ら変わらないのである。
同じ新商品を小売り店に提案するのでも、例えば、自社の新商品が少し高めなら、
「高価格帯商品ラインナップの拡充による、〇〇カテゴリーの利益率アップのご提案」
とすれば、グッとしまる。
ここではあえて、自社の新商品Xの名は出していない。出すとしたら、「サブタイトル」でよい。
ポイントは、「高価格帯商品ラインナップ拡充」という、得意先の「品揃え」において
自社の新商品Xを加える意味を説明していることである。

こういうタイトルをつけると、自然と、提案書の中身・ストーリーも骨格が決まる。
なぜ、得意先にとって高価格帯のラインナップ拡充が必要なのか、という理由を述べ、
実際に導入された場合の、カテゴリーの単価や利益率がどう変化するかの
シミュレーションを示すことになるだろう。
逆に言えば、提案のストーリーが決まってから、それを端的に表すタイトルをつけるのが
正しい順番といえる。

よい提案書はタイトルを見ただけで、中身がわかるものである。
中身がよく考えられていれば、それがタイトルに現れるからだ。
「伝え方が9割」式でいえば、「提案書はタイトルが7割」くらいか。
(完全に雰囲気)

あと、細かいことだが、宛名にも気を付けたい。
「~御中」という得意先の名前は正式名称で。「㈱」や略称は使わない。
名前を間違えるのは言語道断である。
そんなところにも、営業担当者の「姿勢」は現れるし、
得意先も絶対に見過ごさないことを心に刻んでおこう。

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